コーヒーを渡す河西さん(右)。休日の昼時には市外からお客さんが来ることもある=静岡市清水区
新聞のお供に、温かいコーヒーはいかが――。静岡市清水区の小さな新聞販売所が今冬、店舗を一部改築して、コーヒー店をオープンした。提供するのは、自家焙煎(ばいせん)の本格的なもの。コーヒー好きの店主がいれる一杯には、新聞の面白さを伝えたいとの思いも込められている。
同区由比寺尾の「河西新聞店」。その脇の細い道を抜けると、駿河湾の絶景とともに香ばしいコーヒーの香りが漂ってきた。12月1日に開店した9坪ほどのコーヒースタンド「NEWS」。「ニュースを取り扱う店だから」ということと、「東西南北から人が来てくれるように」という願いが店名に込められている。
「いらっしゃい、今日は寒いね」。客に優しい声で語りかけるのは、販売所取締役の河西健さん(39)。レトロな帽子とチョウネクタイがトレードマークの「マスター」だ。代々続く新聞販売所に生まれ、学生時代には配達の手伝いもした。一度、愛知県内の企業に就職したが、約10年前に退職し、店を継いだ。
当時の販売部数は約1700部…