カスタムカーの祭典、東京オートサロンの見どころの一つが、各地の自動車専門学校が出展しているユニークな車の数々だ。学生ならではの独創的な発想が、来場者を楽しませている。
筑波研究学園専門学校(茨城県土浦市)は、日産自動車のコンパクトカー「マーチ」を、なんとリムジンに改造。マーチ2台の前半分を切り出し、背中合わせに溶接した。ていねいに仕上げることで、違和感を抑えつつ巨大な車体に作り替えた。
公道は走れないものの、全長約5メートルにもなる車体は中にソファや観葉植物を置いても余裕がある。フロントグリルも、ロールス・ロイスを思わせる重厚なデザインに。来場客の多くが「え!これマーチなの」と驚きの声をあげていた。学生の一人は「遊び心のある車が作りたかったから、驚いてもらえてとてもうれしい」。
埼玉自動車大学校(埼玉県伊奈町)は、トヨタ自動車のハッチバック車「WiLL VS」を、戦闘機をイメージしてカスタム。車体に弾痕を描き、トランクルームにはジェットエンジンに似せた巨大スピーカーを載せた。
サイドミラーも取り払い、代わりに銃身に似せたカメラを搭載。その映像を運転席からディスプレーで確認できるようにした。
一方、日本自動車大学校(千葉県成田市)は、奇抜ながらも「車検に通る」ことにこだわったカスタムカーを並べた。中でもトヨタの高級ミニバン「ヴェルファイア」の改造車は迫力抜群。車体を通常より約25センチも持ち上げたうえ、後部の屋根を取り払って後部座席を荷台に改造。強引にピックアップトラックに変身させ、来場者の注目を集めていた。(信原一貴)