練習に励む青森山田の中学生部員=青森市大矢沢
福原愛や水谷隼など、多くの五輪メダリストを育てた青森山田高校卓球部が、活動を休止している。多い時には50人いた部員は0人になり、予算もない状態が続いてはや2年。だが、ここにきて名門復活に向けた動きがでている。
■体育館の練習に付属中4人のみ
10月上旬の朝、青森山田高校の施設である青森市大矢沢の体育館には、卓球台2台を挟んで激しくピンポン球を打ち合う中学生4人の姿があった。壁には、「世界で勝とう」と大きな文字が躍り、昨夏リオ五輪での水谷らの活躍を伝えるポスターも貼られている。一方、フェンスを隔てた隣のスペースでは4台の卓球台を使って、年配の女性8人が笑いながらラリーを続けていた。
全国大会を制したサッカー部や、春夏合わせ13度の甲子園出場を誇る野球部に先んじて、青森山田高校の名前を全国区にした卓球部。団体では1972年に女子が全国制覇したのを皮切りに、通算で女子が4回、男子が17回の全国優勝を誇る。特に2005~12年には男子が8連覇し、水谷も優勝メンバーに名を連ねた。
だが現在、高校生の部員はおらず、活動しているのは付属中学の4人だけ。週に1回は「余っているから」と地元のママさん卓球クラブに卓球台を貸し出している状態だ。16年度には予算もゼロになった。
■廃部のうわさに卒業生か…