開会式で入場する日本の選手たち=9日夜、平昌五輪スタジアム、遠藤啓生撮影
平昌(ピョンチャン)五輪の開会式の入場行進は韓国語表記の順番で行われ、62番目に登場した日本は旗手の葛西紀明(土屋ホーム)が先頭で歩いた。斎藤泰雄団長=日本オリンピック委員会(JOC)副会長=ら3人の役員幹部の後に女子選手、同役員が続き、男子選手、同役員の順番で行進した。寒さを懸念して体調管理を優先したため、選手は前回ソチ五輪より15人少ない37人。特徴的だったのは原則、「選手が先、役員が後」になったことだ。
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五輪の開会式をめぐっては、2016年リオデジャネイロ大会で、日本は「アスリートファースト(選手第一)」をうたいながら、本部役員の一団が選手より先に大挙して行進したため、「実態が伴っていない」などと批判された。それまでにも「選手が先、役員が後」の順番を求める声があったが、実現していなかった。
リオ大会の後、JOCは強化本部が中心となって対応を協議。昨年の冬季アジア札幌大会など国際総合大会では選手を優先する順番を採用し、五輪では今大会が初めてとなる。
斎藤団長は「アスリートファースト、選手が中心になる大会だということで選手を前にした。まずは女子と男子で分けたので、男子選手は女子役員の後ろになった」と狙いを説明した。(笠井正基)