トランプ米大統領は15日午前(日本時間16日未明)、ホワイトハウスで、フロリダ州の高校での銃乱射事件について演説し、「メンタルヘルスの問題に取り組む」と語った。トランプ氏は容疑者の精神的な不安定さを問題視する一方、銃規制の問題に関してはまったく触れなかった。
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トランプ氏は事件について「罪のない子どもや先生のいる学校が、おそろしい暴力と憎しみ、邪悪の現場になった」と非難した。近くフロリダ州を訪れ、遺族と会う考えを示した。
トランプ氏は「命の尊さを重んじ、深く意義深い人間関係を構築する文化を、米国に作らなければならない」と強調。「政府は州や地元自治体の指導者と協力し、学校を救い、メンタルヘルスという難しい問題に取り組む」と述べた。
トランプ氏は事件後、ツイッターで「容疑者は精神的に不安定という多くの兆候があり、素行の悪さで退学となっていた」と発言。容疑者の精神状態を問題視する立場を強調している。
一方で、演説では銃規制に関して言及しなかった。トランプ氏は大統領選中、銃規制に反対する全米ライフル協会(NRA)の支持を受けており、銃規制には慎重姿勢をとる。昨年10月にラスベガスで死者58人という米史上最悪の銃乱射事件が起きた後も、事件の背景が分からないとの理由で、銃規制に関する発言を拒んでいた。(ソルトレークシティー〈米ユタ州〉=土佐茂生)