浜松市の浜名湖で2016年7~9月、男性2人の切断された遺体や骨が見つかった事件で、強盗殺人などの罪に問われた宅地建物取引士川崎竜弥被告(34)=同市北区=の裁判員裁判の判決が23日、静岡地裁であった。佐藤正信裁判長は「被告は生命軽視の態度が著しく、一連の犯行は冷徹で残忍」などと述べ、求刑通り死刑を言い渡した。
直接証拠が乏しい中、公判では川崎被告が犯人かどうかが争われた。川崎被告は公判で、認否も含めてほぼ一貫して「黙秘」と繰り返してきた。弁護側は「殺害する理由はない」などと無罪を主張していた。
検察側は、被害者の血痕が川崎被告の実家などから見つかったことや、知人に2人の殺害について告白していたこと、防犯カメラの映像などの状況証拠を積み上げた。判決は「被告が犯人でないとしたら合理的な説明ができない」などと認定。「被害者両名の無念さは察するにあまりある」とした。
判決によると、川崎被告は16年1月29日ごろ、元同僚で浜松市西区の無職須藤敦司さん(当時62)のマンションで須藤さんを殺害。キャッシュカードなどを奪って遺体を焼き、浜名湖またはその周辺に遺棄した。同年7月5日ごろには静岡県磐田市のアパートで京都府の工員出町優人さん(当時32)を殺害。頭部などを切断し、浜名湖またはその周辺に遺棄した。