千葉県酒々井町の住宅で2016年8月、住人で福祉施設職員の竹内諒(りょう)さん(当時21歳)を殺害したなどとして、殺人や死体損壊、死体遺棄などの罪に問われた姉の竹内愛美被告(26)の裁判員裁判が23日、千葉地裁であり、検察側は懲役18年を求刑した。弁護側は殺人罪については無罪を主張し、結審した。判決は3月5日。
検察側はこの日の論告で、2人の間に父親の生命保険金の配分や生活費の分担を巡るトラブルがあったと指摘した。その上で、被告が諒さんのふいをつき、包丁で首などを刺して殺害したと主張。「隠すために死体をバラバラに切断し、燃えるゴミとして捨てた犯行は極めて悪質」と述べた。
これに対し弁護側は、2人の間に小さなトラブルはあったが、いずれも殺害の動機になるものではないとし、「口論で激高した被害者から身を守るために包丁を手に取った」などと正当防衛を主張した。死体損壊罪については「被告は父親の火葬を思い出し、弟も同じように小さな骨にして埋葬しなければと思っての犯行であり、切断だけで残忍だとは言えない」などとして、寛大な判決を求めた。
竹内被告は最終意見陳述で「弟の未来を消してしまい、後悔と絶望感しかありません」などと述べた。(寺沢知海)