23日、仁川国際空港に到着したイバンカ氏(中央)〈東亜日報提供〉
25日の平昌(ピョンチャン)冬季五輪閉会式に出席するトランプ米大統領の長女、イバンカ大統領補佐官が23日午後、韓国に到着した。韓国は文在寅(ムンジェイン)大統領夫妻らが同夜、イバンカ氏を「首脳級の接待」(韓国政府関係者)でもてなし、良好な米韓関係の演出に努めた。
イバンカ氏は同日午後、仁川国際空港で「五輪に出席できてうれしい。強い米韓同盟を改めて確認するために訪れた」と語った。夕食会では「朝鮮半島の非核化のため、(北朝鮮に)最大限圧力をかける共同の意思を確認する」と述べた。
韓国は同夜、各国首脳らをもてなす際に使う大統領府内の伝統的家屋「常春斎」で夕食会を開催。韓国料理を準備したが、ユダヤ教の教えに沿った食事に関する規定「コーシャー」を重んじるイバンカ氏に配慮。同氏には甲殻類や肉類を避けて、主菜は豆腐料理を採用した。
韓国政府は「南北関係改善のためには、非核化を巡る米朝対話が必要」(趙明均〈チョミョンギュン〉統一相)という立場。接待攻勢の背景には「イバンカ氏を良好な韓米関係の象徴としたい」(別の政府関係者)思惑が働いた。
イバンカ氏は26日まで韓国に滞在する。北朝鮮の金英哲(キムヨンチョル)朝鮮労働党副委員長らは25日から27日まで訪韓するが、韓国政府高官は「米朝が接触する計画はない」としている。(ソウル=牧野愛博)