再計量でも体重オーバーで王座が剝奪(はくだつ)され、うなだれるルイス・ネリとそのトレーナーら=東京都千代田区
世界ボクシング評議会(WBC)バンタム級タイトル戦の前日計量が28日、東京都内であり、前王者の山中慎介(帝拳)の挑戦を受けるはずだった王者ルイス・ネリ(メキシコ)が、体重超過でタイトルを剥奪(はくだつ)された。3月1日のタイトル戦は予定通り行われ、山中は勝てば王者返り咲き、負けるか引き分ければ王座は空位になる。
この日の午後1時からあった計量でネリは、上限の53・5キロを2・3キロオーバーする55・8キロ。減量のために2時間の猶予が与えられた。午後3時ごろ、会場に汗だくで現れたネリは再び計量に臨んだが、1キロ減っただけで1・3キロのオーバー。王座の剥奪が決まり、机に突っ伏してうなだれた。
ネリの体重管理をしてきたというメキシコ人栄養士は「ネリの体は他の選手と違い、私の経験通りにいかなかった。全て私の責任。山中選手に申し訳ない」と謝罪した。山中は「信じられない思い。注目されている試合なので、両方しっかりしたコンディションで試合をしたかった」とコメントした。
ネリは山中の連続防衛の日本記録がかかった昨年8月に山中にTKO勝ちしたが、その試合後にネリにドーピング疑惑が浮上。結局は不問に付されたが、因縁の相手として、今回の「リベンジマッチ」が組まれた経緯がある。
体重超過をめぐっては、2013年12月3日にあった国際ボクシング連盟(IBF)と世界ボクシング協会(WBA)のスーパーフライ級王座統一戦で、IBF王者の亀田大毅=亀田=が、体重超過によりWBA王座を失った相手に判定負けしながら王座にとどまり、議論になったことがある。