若手の企業経営者らでつくる日本青年会議所(日本JC)は、憲法改正論議を充実させるとして企画したツイッターで、担当者が不適切な投稿を繰り返したとして、ホームページに副会頭名でおわびを掲載した。「品性を欠いた内容ばかりで、会の理念と反する。深くおわびする」としている。
おわびは2月28日付。JCの説明によると、憲法改正への議論を起こすため、「論点や歴史、愛国心など保守的なことを面白くつぶやき、拡散させる」ことを目的に担当部署が企画した。だが、担当者が1人でツイートしており、アカウントにJCの企画であることは記されず、個人のアカウントのように見える形だった。
1月1日から「右翼」を連想させる「宇予(うよ)くん」というキャラクターがツイートを開始。中国と韓国を名指しし、「バカ二国と国交断絶、もしくはミサイル爆撃したほうがいい」「憲法を変えたくないと言ってるヤツはバカ」といった投稿を繰り返していた。また、報道機関を批判したり、国会議員名や個人名を挙げ、「救えないアホ」「頭がいかれてる」「間違いなく狂ってる。まだ若いのにかわいそう」などと中傷する内容もあった。
ツイッターのプロフィル欄には「保守思想、趣味は筋トレ、好物は肉」と記され、背景に日の丸が掲げられるデザインだった。
JCのコンプライアンス部門は、「宇予くん」という名前やツイート内容をチェックしていなかったという。1月中旬ごろにツイッターの担当部署内で問題となり、アカウントの削除が決まった。だが、担当者がこれを怠り、2月27日になって削除された。投稿していた担当者はJCの聞き取りに対し、「目的は議論を起こすことだったが、稚拙な方法をとってしまった」と話しているという。
JCの宇田川隼・2018年度規則審査会議議長は「他者への誹謗(ひぼう)中傷ばかりで、議論が生まれるはずもない内容だった。情けないことに気づくのに時間がかかり、対応が遅れた。今後、企画などの審査は入念に行う」としてしている。