障害者スポーツを見た人は2016年リオデジャネイロ・パラリンピック当時の71%から57%に減少――。東京都が昨年9月に実施した都民調査で、こんな結果が出た。2年後の東京大会を控え、都は「盛り返しのきっかけに」と平昌大会(3月9日開幕)に期待を寄せる。
調査は18歳以上の都民3千人が対象で1907人が回答。「この1年で障害者スポーツを見たことがある」と答えた人は57%で、リオ大会中の16年9月に調べた前回から14ポイント下がった。「テレビやインターネットで見た」という人が前回の70%から56%に落ち込み、競技場で観戦した人はわずか3%で前回とほぼ同じだった。
五輪選手については「5人以上知っている」と答えた人が85%だったのに対し、パラリンピック選手は「1人も知らない」が38%で最も多かった。
障害者スポーツに「関心がある」「やや関心がある」は計57%(前回58%)。前回並みだった点について、小池百合子都知事は「底堅いとも言える」とみる。「関心がない」「あまり関心がない」は計39%(同37%)。関心がない理由は「どんな選手がいるか知らない」(36%)、「身近に関わっている人がいない」(32%)、「ルールや見どころが分からない」(28%)などだった(複数回答可)。
「競技や選手を知ってもらう機会さえあれば、もっと関心を持ってもらえるのでは」と都オリンピック・パラリンピック準備局の担当者。平昌大会中に都内で競技体験会を開くなどPRを計画しており「選手の魅力や観戦のポイント、ルールを伝える工夫を続けたい」と話す。(斉藤寛子)