財務省は12日、文書の書き換え疑惑について国会に報告する。財務省近畿財務局は森友学園と2015年5月に貸し付け契約、16年6月に売買契約を結んだ。朝日新聞は、この二つの契約を結んだ際の決裁文書の内容が、いずれもその後に国会議員に開示されたものと異なっていると報じた。
貸し付け、売買どちらの決裁文書にも、学園側との交渉経緯をまとめた「調書」がついている。朝日新聞が確認したところ、貸し付け契約時の調書では、学園との取引について「特例的な内容となる」「本件の特殊性」と表現。国会議員に開示された文書ではこれらの文言がなくなっていた。
売却契約時の調書(全8項目)では項目「1.事案の概要」に「(学園から土地を買いたいと)要請を受けて、価格等について協議した結果、学園が買受けることで合意した」と書かれていた。だが、国会議員に開示されたものではこの部分が「(学園から)申し出があり、売払申請書の提出があった」という記載になっていた。
また、契約時の「4.貸付契約までの経緯」という項目には、学園から「借り受けて、その後に購入したい」との要望を受け、財務局が「本省理財局に相談した」と記載。10年以内の売買を約束した貸付時の契約を「特例的な内容となる」とし、「理財局長の承認を得て処理を行う」と書かれていた。国会議員に開示した文書では、これが項目ごとなくなっていた。
「5.本件売払いに至る経緯について」との項目でも契約時の文書では「学園の提案に応じて鑑定評価を行い価格提示を行うこととした」とあったが、開示された文書ではこの文言がなくなっていた。
この調書は、契約時はA4判全7ページだったが、その後の文書では5ページになっていた。