糸谷哲郎八段を破り、第66期王座戦で挑戦者決定トーナメント進出を決めた将棋の藤井聡太六段=大阪市の関西将棋会館、佐藤圭司撮影
最年少で六段に昇った将棋のプロ棋士、藤井聡太(そうた)六段(15)が22日、第66期王座戦(日本経済新聞社主催)の二次予選で、糸谷(いとだに)哲郎八段(29)に89手で勝ち、挑戦者決定トーナメント進出を決めた。継続していた連勝記録を16にまで伸ばした。
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大阪市福島区の関西将棋会館で午前10時に始まり、午後8時1分に終局した。糸谷八段は、竜王のタイトルを獲得した実績があるほか、トップ棋士10人で名人挑戦権を争う名人戦・A級順位戦に来期から参加を決めている関西の若手強豪。
終局後、藤井六段は「非常に難しい将棋だった。(挑戦者決定トーナメントに進出できて)ここからも一歩一歩上を目指してやっていきたい。16連勝したことは意識していない。これからも普段通り臨めたらな、と思う」と話した。糸谷八段は「終盤も鋭いし、中盤も気持ちの良い斬り込み方だな、と思った」と感嘆した。
日本将棋連盟によると、これで藤井六段の通算成績は82対局、71勝11敗。同じく今年度の成績は、72対局、61勝11敗となった。将棋界の記録4部門(対局数、勝ち数、勝率、連勝)で今年度のトップ独占は、すでに確定している。
将棋の王座戦は、8大タイトル戦の一つ。全棋士と女流棋士4人が参加。一次予選、二次予選のトーナメントがある。二次予選を勝ち抜いた棋士とシード棋士の計16人で挑戦者決定トーナメントを行い、挑戦者を決める。例年9~10月に五番勝負がある。現在のタイトル保持者は、中村太地(たいち)王座(29)。
藤井六段の次の対局は28日、関西将棋会館で。第68期王将戦(スポーツニッポン新聞社、毎日新聞社主催)の一次予選で井上慶太九段(54)と対戦する。これが藤井六段にとって2017年度最後の対局となる。(佐藤圭司)