試合終了後、あいさつのためスタンドに駆け出す聖光学院の選手たち=兵庫県西宮市の阪神甲子園球場、内田光撮影
(23日、選抜高校野球 聖光学院5―3東筑)
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「いいぞ職人!」。聖光学院の斎藤監督が、そんな褒め言葉を送る選手が、2番を打つ横堀だ。
序盤から得点するが攻めきれず、同点で九回へ。1死二、三塁で横堀に打席が回ってきた。「監督からゴロを打つか、セーフティースクイズがあるぞと言われていた」。1ボールの2球目、サインはスクイズだった。変化球にきっちり反応し、一塁側へ打球の勢いを殺した丁寧なバント。三塁走者だけでなく、敵失も絡んで二塁走者までかえした。勝利に導く大きな2点だった。
今年のチームは打力が高い。斎藤監督も期待をしていた。だが、4カ月ぶりの公式戦で、しかも開幕試合。緊張感がある試合で持ち前の堅実なプレーが生きた。「自分は大きなバッターではないので練習してきた。いいバントでした」と横堀。斎藤監督は「職人」を「千両役者」とたたえた。(坂名信行)
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聖光学院は七回から登板した左腕高坂の強心臓が光った。先頭にいきなり死球を与えたが、「内角を攻める時は当たってもしょうがない、くらいの気持ち」と全く動揺せず。球をコーナーに集めて粘投した。味方が2点を勝ち越した後の九回にピンチを迎えたが、「1点差で勝っていれば大丈夫」。最後も内角を攻めて併殺で締めた。
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福島勢は春通算10勝。聖光学院が東筑に勝って達成。そのうち聖光学院が4勝。通算18敗。