「市職員が出席する飲食を伴う会合が多く、負担になっているのでは」――。そんな議論が岐阜市の3月議会で交わされた。市の調査結果によると、5千円以上の参加費が必要な飲食を伴う会合が3年間で約200回あり、7割以上で職員が自腹を切っていた。
職員が出席する自治会などの団体との飲食が伴う会合について田中成佳氏(無所属クラブ)が質問。調査結果によると、職員が出席した1人あたりの単価が5千円以上の飲食を伴う会合は2015年度58回、16年度65回、17年度67回の計190回。うち142回で職員が自腹で参加費を支払っていた。
田中氏は「職員の個人負担の重さをあらためて知った」。市側は「各種団体との様々な機会をとらえて市政や地域の課題について意見をうかがうことは大変重要」とした上で、「公務とするか否かを含め、市民から疑惑や不信を招くことがないよう注意しながら、様々な観点から判断がなされる必要があると認識している」と答えた。
一方で田中氏は、調査結果で、市職員の参加費を団体側が負担した際の金額が5千円になっている事例が圧倒的に多く、不自然だと指摘した。市の条例で5千円を超える供応を受けた場合は贈与等報告書を出す必要があるが、過去3年間で飲食を伴う会合についての報告書はゼロだという。
全国市民オンブズマン連絡会議の新海聡事務局長は「条例の趣旨が徹底されているかが重要。趣旨が徹底されていないと報告書を出すのが面倒くさくなってしまう」と述べた。(山野拓郎)