タカタの高田重久会長兼社長
エアバッグの欠陥で大量リコール(回収・無償修理)を招いた自動車部品大手タカタが、26日、東京地裁に民事再生法の適用を申請し、受理された。史上最大規模のリコールは、世界有数の自動車安全部品メーカーの経営破綻(はたん)に発展した。
同日朝の臨時取締役会で決めた。実質的な負債総額は1兆円を超え、製造業では戦後最大の大型倒産となる。
米子会社、TKホールディングス(ミシガン州)も25日、米連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用を申請した。国内子会社のタカタ九州(佐賀県多久市)やタカタサービス(滋賀県彦根市)も民事再生法の適用を申請する。
信用不安が広がらないよう、タカタの「買い手」となる支援企業を事前に決める再建手法をとる。支援企業には、中国の電子部品大手「寧波均勝電子」傘下の米自動車部品メーカーのキー・セイフティー・システムズ(KSS)がすでに選ばれている。
KSSは約1750億円を出資したうえで、「会社分割」の手法で、タカタから利益を出せる主力事業を切り出し、新会社の下で事業を継続する。リコール費用の支払いなどは、残るもう一方の会社が担う。
タカタ製エアバッグの異常破裂では、因果関係が特定できないものも含め、世界で17人、うち米国で11人が亡くなった。タカタは16年2月、再建計画を担う外部専門家委員会を設けた。主要取引銀行や自動車メーカー、支援に名乗りをあげた企業などと話し合いを続けていた。