性同一性障害の中学生の物語を掲載した中学校道徳の教科書=早坂元興撮影
性のあり方は、男・女の二つだけではなく、人の数だけあります――。文部科学省の教科書検定に合格した中学校道徳の教科書では、8社中4社がLGBTなど性的少数者について取り上げた。性的少数者に関する記述は、これまで高校の家庭科や世界史の一部の教科書に載ったことはあるが、道徳の教科書では小学校も含めて初めてだ。
道徳教科書にSNSやスマホ 初の検定、8社合格
学校図書は2年の教科書で、性のあり方には「からだの性」「こころの性」「好きになる性」の三つの要素がある、と紹介。体と心の性が一致し、異性を好きになる大多数の人と、そうではない人がいるとしたうえで、性的少数者は人口の約5~8%いると言われている、と記した。そのうえで、「偏見を認めてしまう雰囲気があったとしても、周囲に流されることなく、その偏見を解消していこうとする心の強さをもつことが大切です」。
同社の担当者は、性的少数者を取り上げた狙いについて、「多様性を考える上で、大事なことの一つが性。中学生は多感な時期で、性がいじめにつながる可能性もある。事実をしっかりと伝える必要がある」と話す。支援団体などにも話を聞いた上で、教材化したという。
日本教科書も2年の教科書で、…