新幹線駅予定地にほど近い地下通路の看板。いまの地下構造のままだと、地下鉄南北線の改札口はかなり遠く、地下街の再構築が課題となりそうだ
新たな「道都・札幌の玄関口」建設がようやく動き出す。2030年度開業予定の北海道新幹線札幌駅のホーム位置は29日、在来線ホームから東側にずらす「修正東側案」に決まった。札幌市などは周辺の街づくりの見直しに着手するが、地下鉄との乗り換え利便性の向上など、課題は山積している。(戸谷明裕、今泉奏)
修正東側案はJR北海道が提案したもの。在来線ホームの東端から約200メートル東に、創成川をまたぐ上下線別々の新幹線ホーム(2階)を設置し、在来線と連絡橋(3階)で結ぶ。連絡橋には在来線の改札口を、高架下(1階)に新幹線専用の改札口をつくり、一帯を「新東口」にする。
この日、高橋はるみ知事や秋元克広札幌市長、JR北の島田修社長ら5者が道庁に集まり、合意した。新幹線の事業費は国や自治体がまかなうのが原則だが、今回は570億円を超える部分(75億円)を、JR北が負担することも確認した。高橋知事は「総合的に判断して決めた。北海道の将来を考えると、より良い選択だ」と締めくくった。
ただ、課題は多い。
道内各地を結ぶ在来線との乗り換え距離は約300メートルで、高齢者の足で約6分かかる。この日も「連絡橋に動く歩道の設置を求める声がある。特段のご配慮をお願いしたい」(秋元市長)といった声が相次いだ。エスカレーターの設置や、在来線の停車位置を東側にずらすなど、工夫もいる。
札幌市民の足である地下鉄との連絡も課題だ。最も近いのは東豊線だが、何と言っても大動脈は1日平均約22万人が利用する南北線。新幹線駅から南北線さっぽろ駅の改札口までは500メートルを超えそうで、さっぽろ駅―大通駅間を結ぶ札幌駅前地下歩行空間(チ・カ・ホ)とほぼ同じか、それ以上の距離となる。
いまの札幌駅を中心につくられているタクシープールやロータリー、バスターミナルからも遠い。マイカー利用者が乗り降りするスペースの確保も課題だ。
課題解決のカギを握るのは、札…