実施が決まった儀式と課題
新天皇の即位を内外に宣言する「即位礼正殿(せいでん)の儀」を2019年10月22日に実施するなど、皇位継承の儀式に関する政府の基本方針が30日、決まった。平成への代替わり時の考え方を基本的に踏襲。国民主権や政教分離の原則など憲法との整合性の議論は深まらず、課題を残した。
新天皇の即位を宣言する儀式、来年10月22日に
即位儀式の一つ「大嘗宮の儀」、来年11月14~15日
菅義偉官房長官が委員長を務める政府の式典準備委員会。1月から月1回のペースで行い、この日が3回目。正副官房長官と宮内庁長官ら7人で構成し、非公開で行われてきた会議は、当初から「議論しない」(委員の一人)という位置づけだった。菅氏は「基本方針について議論を行う。合意されれば、本日決定したい」と切り出し、約20分であっさり終わった。
「平成の代替わりの式典は、現行憲法下で十分な検討が行われたうえで挙行された。司法の場でも政府の立場が肯定された。今回も踏襲されるべきものと確認した」。菅氏は記者会見で、前例にならったことを強調した。
前回の皇位継承では、一連の儀式について憲法が定める国民主権や政教分離の原則との整合性が議論となり、各地で訴訟が起きた。政府は、最高裁が儀式への参列に合憲の判断を下したことを根拠に、憲法問題が再燃しないよう前例踏襲にこだわった。わずか3回の会合でのスピード決着は、その結果でもある。
■憲法問題な…