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中国の科学者、自然界から超臨界CO2を初発見 生命の起源に関わるか

科学誌「科学通報」(Chinese Science Bulletin)はこのほど、巻頭記事として中国科学院海洋研究所及び中国科学院海洋ビッグサイエンス研究センターによる科学研究の成果を掲載した。中国の科学者は西太平洋の深海熱水エリアで超臨界二酸化炭素(CO2)を発見した。これは世界で初めて自然界から発見された超臨界CO2で、生命の起源の研究に新たな啓発をもたらした。新華社が伝えた。


中国科学院海洋研究所の張◆研究員(◆は品の口が金)の説明によると、科学観測船「科学」号の2016年深海熱水航行段階において、科学研究者は中国が独自に研究開発した深海ラマン分光探知機を使用し、水深1400メートルの深海熱水エリアで超臨界CO2を含む流体を噴出する熱水噴出孔を発見した。


張氏は「摂氏31度、7.3メガパスカルの水温・圧力条件により、CO2は超臨界の形式で存在できる。超臨界CO2はガスと液体の性質を兼ね備え、有機物を急速に溶解できる。日常生活におけるドライクリーニングには超臨界CO2が用いられている。石油工業でも溶剤として大量の超臨界CO2が使用されている。広く使用されてはいるものの、これまで自然界からは超臨界CO2が見つかっていなかった」と述べた。


科学研究者は深海ラマン分光探知機を使った分析により、超臨界CO2を含む熱水流体の中に多くの窒素ガスが含まれ、周囲の海水及び熱水における窒素の濃度を大きく上回っていることを発見した。これは超臨界CO2に窒素ガスを蓄積する効果があることを物語っている。このほか、これらの熱水流体には未知の有機化学物質が含まれていた。


科学者は、「深海熱水エリアの超臨界CO2と窒素ガスが周辺のミネラルと結びつき、有機物の発生を活発にすることで、無機から有機への変化を実現している。有機物は生命の基礎であり、これは地球の生命の起源の研究に対して新たな啓発を提供した」と分析している。


中国科学院海洋研究所の孫衛東研究員によると、熱水に特有の分化能生物群落には太陽光と好熱に依存しない特性がある。深海熱水システムは地球の原始の生命誕生の環境に似ている可能性がある。生命の基本構成物質はアミノ酸だが、熱水流体にはアミノ酸の重要元素である窒素が含まれない。これは早期の生命の起源は熱水という仮説にとって最も致命的な問題だ。深海熱水エリアで今回見つかった超臨界CO2流体による大量の窒素ガスの蓄積は、早期地球の無機から有機への変化に対して最良の反応媒体を提供した。


科学研究チームはこの科学研究成果に基づき、地球の生命の起源に関する新たな仮説を打ち出した。地球の早期に、海洋と大気の境界面に存在する超臨界CO2層が大量の窒素ガスを蓄積し、海水と海面から出た岩石の鉱物と結びつき、有機物の発生を活性化させ、地球の早期生命の源になったという。(編集YF)


「人民網日本語版」2020年5月13日


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