集会で話す前川喜平・前文部科学事務次官=大阪府豊中市
学校法人森友学園(大阪市)への国有地売却や財務省の公文書改ざん問題を追及する集会が31日、大阪府豊中市内で開かれ、約1400人が参加した。前文部科学事務次官の前川喜平氏は「一極集中している権力に対し、行政機関が脆弱(ぜいじゃく)になっている」と指摘した。
市民団体「森友学園問題を考える会」が主催。前川氏は元官僚の視点から「国有地の払い下げ問題は、外部からの政治的な力があったと考えざるを得ない。森友問題も加計問題も国政の私物化だ」と批判した。
前川氏は、名古屋市立中学校での自身の講演を自民党の国会議員が文科省に照会し、同省が調査していた問題についても言及。「役人が自らの判断でするはずがなく、強力な圧力がかかった。自民党の文科部会長の機嫌を損ねてはいけないという事情には同情する」と述べた。
元文科官僚の寺脇研氏は「霞が関はどの省も官邸に押さえつけられている。文科省や防衛省、財務省で問題が明るみに出たが、それだけではないだろう」と話した。(永井啓吾)