厚生労働省東京労働局の勝田(かつだ)智明局長が会見で報道各社に「是正勧告してあげてもいいんだけど」などと発言した問題で、加藤勝信厚労相は3日の閣議後会見で、勝田氏の処分を検討する考えを明らかにした。一方、勝田氏が昨年12月の会見で野村不動産に是正勧告したと公表したことに対しては、公表していないとの認識を示して改めて説明に食い違いを見せた。
東京労働局長が撤回 報道各社に「是正勧告してもいい」
問題の発言は先月30日の定例会見で、男性社員が過労自殺した野村不動産への特別指導の経緯の説明を求める質問が相次いだ時に出た。加藤氏は、労働行政の「監督、指導の任にあたる局長の立場として甚だ不適切だ」と指摘した。安倍政権が重要法案と位置づける働き方改革関連法案の国会への提出を前に、野党からは勝田氏の辞任を求める声が上がっているが、加藤氏は「処分について厳正に対処したい」と述べるにとどめた。
野村不動産をめぐっては、勝田氏が昨年12月の会見で裁量労働制を社員に違法に適用したとして是正勧告をし、特別指導したことを公表。ところが、加藤氏は先月30日の衆院厚労委で「私が持っているペーパーでは、会見において触れていない」と答弁し、説明が食い違っていた。この点について、加藤氏は3日の会見で「労働局として認めたことはないと、承知している」と改めて強調した。