シュートを狙う三河の金丸
男子プロバスケットボール・BリーグのB1で、独走で早くも中地区優勝を決めたシーホース三河。B1初制覇に向けて、残るレギュラーシーズンでは他地区の上位との対戦もあり、厳しい試合を歓迎している。
「タフなゲームが多ければ多いほど、チームが成長する可能性もある。そういった意味ではちょっと懸念材料ですね」。三河の鈴木貴美一ヘッドコーチ(HC)が気にかけているのは地区間の格差だ。
18チームが東、中、西の3地区に分かれ、今季のレギュラーシーズンでは、同地区内で6回戦総当たりの30試合、他地区との交流戦が2回戦総当たりの24試合に6試合を加えた30試合で、各チーム計60試合を戦っている。
49試合を終え、上位が激しく競り合う東地区は、1位千葉から2位A東京、3位川崎、4位栃木までが勝ち越し。最下位の渋谷でも借金3だ。一方、三河が所属する中地区は1強状態で、2位以下はすべて負け越し。西地区も優勝へマジック3の1位琉球、2位京都が3位以下を引き離している。
三河は、地区優勝を決めた3月28日の名古屋D戦は13点差を追う第4クオーター(Q)で追いついて延長で1点差勝ち。B1記録を更新する17連勝となった4月1日の三遠戦では逆に第4Qで追いつかれたが延長で突き放すなど、決して楽勝ばかりではない。とは言え、開幕2試合目から16連勝とスタートダッシュを決め、あまり順位の重圧がない中で戦ってきた。
今季の8敗中、5敗を喫した交流戦が、残り11試合のうち8試合。東1位の千葉(4月7、8日)、西1位の琉球(4月21、22日)、東3位の川崎(5月5、6日)などと対戦する。
得点源の金丸は「強い相手と試合をすれば、今、自分たちがどのくらいできるのかという証明になる。いい機会だと思う」と歓迎。年明けの天皇杯決勝で敗れた千葉との対戦に向けて「もう負けられない。(攻撃が)すごく速く、インサイドの選手が先頭を切って走っている。まずは速攻を止めたい」と意気込む。
鈴木HCも「強いところをやれるのはいい。良いところ、悪いところをすべて出して、チャンピオンシップに向けて全力でやる。チャレンジャー精神を忘れないようにしたい」。今季2度もB1の連勝記録を更新。勝ちまくったチームに忍び寄る油断を拭い去ることも期待している。(松本行弘)