平昌五輪スピードスケート女子500メートルで金メダルを決め、手を振る小平奈緒
金メダル級の「豪速球」は見られるか――。2年連続日本一を狙うプロ野球ソフトバンクの船出を、五輪女王が華やかに飾る。30日夜、ヤフオクドームで行われるソフトバンク―オリックスの開幕戦(18時半開始予定)の始球式に、2月の平昌冬季五輪スピードスケート女子500メートルで金メダルを獲得した小平奈緒(31=相沢病院)が登板する。
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小平は、36秒94の五輪新記録で500メートルを制し、スピードスケート日本女子として初の金メダルに輝いた。日本選手団の主将も務め、同1000メートルでも銀メダルを獲得し、日本中をわかせた。球団は「再び頂点を目指すホークスにとっても適任」と、始球式を打診した。小平を指導する結城匡啓コーチと工藤公康監督が知り合いだった縁もあり、実現したという。
氷上でコンマ何秒を競うのが本職だが、実は、小平は強肩の持ち主でもある。本人によると、子どもの頃にソフトボール投げで出身地の長野県で3位に入り、高校では陸上のやり投げに誘われたという。「(高校の)隣のグラウンドからソフトボールが飛んできて、ボールを返したら、その(強い)球を見た陸上部の先生が『やり投げをやってみないか』って。肩は強いけど、コントロールが問題です」と笑う。
研究熱心な小平は、始球式に向けても準備に余念がない。3月中旬に出演したテレビ番組で「キャンプインしました」と笑顔で語り、マウンドからホームベースよりも長い距離で、結城コーチとキャッチボールしていることを明かしていた。
福岡を訪れるのは初めてという。「チームスポーツが地域に根付いていて地元を盛り上げている。その雰囲気を感じてきたい」。プロ野球は「初観戦がマウンドです」と笑みをこぼしつつ、「素直な投球をしたいな」と意気込んだ。
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余談だが、小平と私は信州大で同学年だった。教育学部で教員免許をとり、スケートと学業を両立させて当時から有名だった小平に対し、私は経済学部の一学生。直接面識はなかったものの、その活躍を伝え聞いていた。地道な努力で世界の頂点まで上り詰めた同窓の一ファンとして、間近で見られる投球に期待したい。(甲斐弘史)