棋王戦の予選で初手を指す藤井聡太六段。手前は古森悠太四段=2018年4月5日午前10時、大阪市の関西将棋会館、金居達朗撮影
史上最年少で六段に昇った将棋の藤井聡太(そうた)六段(15)が5日、大阪市福島区の関西将棋会館で、2018年度初の公式戦を戦っている。今春から高校生になる節目の一局でもある。
「名人をこす」夢への第一歩 将棋界の頂点に真っ向勝負
午前10時から、第44期棋王戦(共同通信社主催)の予選で、古森悠太(こもりゆうた)四段(22)との対局が始まった。持ち時間は各4時間。昼食休憩をはさみ、夕方から夜にかけて終局する見込み。
日本将棋連盟によると、本局の前の時点で藤井六段の通算成績は83対局、71勝12敗、勝率8割5分5厘。2016年10月1日付でプロ四段となり、プロデビュー戦は16年12月24日だった藤井六段にとって、4月から翌年3月末まで年度を通して戦ったのは2017年度が初めてだった。初めて1年間、フルに戦った17年度の成績は73対局、61勝12敗、勝率8割3分6厘。年度またぎで記録した29連勝と合わせて17年度は対局数、勝ち数、勝率、連勝という将棋界の記録4部門で1位を独占した。
将棋界では連勝記録が年度をまたいだ場合、連勝が止まった時点の年度の記録となる。16年12月24日のデビュー戦から勝ち続け、17年7月2日に佐々木勇気六段(23)に敗れるまで続いた藤井六段の29連勝は、17年度の記録だ。藤井六段は別に、18年1~3月に18連勝を記録。17年度の連勝記録の1位と2位を占めた。
棋王戦は、将棋界の8大タイトル戦の一つ。全棋士と女流名人、アマ名人が参加。予選をトーナメントで行い、その通過者とシード者で本戦トーナメントを行うなどして、挑戦者を決める。例年2~3月に五番勝負がある。現在のタイトル保持者は渡辺明棋王(33)。(佐藤圭司)