熊本県南阿蘇村の建設課の半分は、復旧工事を担当する応援職員で占められている=南阿蘇村役場
熊本地震の発生から2年を迎える被災地の市町村は、今も復旧工事の発注や災害公営住宅の整備など多くの業務を抱える。首長を悩ませる職員不足。職員の負担は増し、復旧作業の遅れも心配される。
阿蘇大橋が崩落し、1673棟の家屋が全半壊するなどの大きな被害が出た熊本県南阿蘇村。2017年度に九州の6自治体から14人の応援を受けたが、18年度は2人減る。
「あと20人は不足している」と人事担当者。特に深刻なのは復旧工事を担当する建設課。もともと村には技術系職員がおらず、応援職員6人に加えて、民間コンサルタントの社員2人に常駐してもらってしのいでいる。
村によると、復旧が必要な道路や橋などは約260カ所あるが、着手したのは約80カ所。予算上、18年度中に発注を終えなければならず、「これからさらに忙しくなる」。地震前まで工事は年間10~20カ所くらいだったという。
昨年6月から村に派遣されている長崎県新上五島町職員の戸村貴樹さん(44)は、被害が大きかった立野地域で20カ所ほどの工事を受け持った。契約できたのが7割ほど。契約しても業者の人手不足などで着工できない場所もあり、新年度に繰り越された。「工事を一つでも終わらせたい」と、今春までだった任期を6月末まで延長した。
吉良清一村長は「村職員も、意識の高い応援職員と仕事ができている。苦しいが、学ぶ好機と思い、次の災害に備えて役場の地力をつけなくては」と話した。
2度の震度7に襲われた熊本県…