火災が発生した集合住宅。ベランダには焼け焦げた家財道具が出されていた=7日午前9時53分、大阪府茨木市、朝日新聞社ヘリから、矢木隆晴撮影
大阪府茨木市で7日未明に起きた集合住宅火災で亡くなった3人は、母親と幼い娘2人とみられている。同世代の子どもを持つ近所の人たちは、「信じられない」と声を詰まらせた。
集合住宅で火災、女児ら3人死亡 母娘か、大阪・茨木
「緊急事態です」
茨木市星見町の集合住宅に住む女性(43)は午前3時ごろ、けたたましいサイレンと、自宅のドアをどんどんとたたく音で目が覚めた。窓から外を見ると、5階から激しい煙が上がっているのが見えた。寝静まっているはずの住宅街に、多数の消防車や救急車が集まっている。周囲には煙が立ち込め、焦げた臭いがしたという。
消防は付近のマンションの住民らにも「避難してください」と呼びかけたといい、住宅街は騒然とした雰囲気に包まれた。この女性は、「こんな大事になるとは、今でも信じられない……」と話した。
付近にある別の集合住宅に住む女性(30)は、3人が亡くなった集合住宅前の駐車場でうずくまっている少年を見かけた。少年は全焼した一室の住人とみられ、靴ははいておらず、煙を吸ったのか、せき込んで苦しそうにしていた。薄着だったため、女性はサンダルとフリースを渡したという。
「大丈夫?」「中に誰かおるの?」。こう問いかけた女性に対し、少年は「中で子ども2人と親が寝たままだ」と言葉少なに話したという。女性は、「こんなところで火事があるなんて怖い」と声を震わせた。
別の住民男性(47)も、外の騒がしさで火事に気づいたという。5階の一室から青白い炎が上がっているのを見たという。3人が亡くなったことについて、「子を持つ親として心が痛みます」と声を落とした。