防衛省は9日、南スーダンの国連平和維持活動(PKO)に派遣された陸上自衛隊が作った活動報告(日報)が、同省情報本部から新たに見つかったと発表した。昨年3~7月、稲田朋美防衛相(当時)の指示で特別防衛監察が実施されたが、情報本部は調査の対象から外れていたという。特別防衛監察の信頼性も問われそうだ。
防衛省によると、新たに見つかった日報は2012年7月16日~17年5月24日の一部。16年10月に受け付けた情報公開請求の対象期間(16年7月7~12日)の一部も含まれ、南スーダンの首都ジュバで政府軍と反政府勢力が激しく対立する様子が記されていた。防衛省は16年12月、この期間の日報について不存在を理由に不開示を決定していた。
今月7日に小野寺五典防衛相が、過去の自衛隊の海外派遣に関するすべての日報を統合幕僚監部に集約するよう通達を出し、全部署で日報の存否の確認中、情報本部の2部署の共有フォルダー内で見つかった。
情報本部は自衛官と事務官ら計約2500人で構成されている防衛相直轄の組織。電波・画像情報などを収集・解析し、安全保障に関わる動向や国際軍事情勢などを分析している。
小野寺防衛相は9日の参院決算委員会で「当時の情報公開請求等について不適切な対応があったと考えざるを得ず、防衛大臣として改めておわびを申し上げる」と述べた。(編集委員・土居貴輝)