パラシュートとみられるものが見つかった羽村市立羽村第三中学校(中央下)。奥は横田基地=2018年4月10日午後6時34分、東京都羽村市、朝日新聞社ヘリから、角野貴之撮影
10日午後4時45分ごろ、東京都羽村市川崎にある市立羽村第三中学校のテニスコートに、パラシュートとみられる物体が落ちているのを、部活動に来た生徒6人と外部コーチ1人が発見し、学校を通じて、警視庁福生署と市役所に連絡した。けが人はなかった。
在日米軍のパラシュートで、幅約3メートルの布製。防衛省が在日米軍から受けた説明によると、午後4時半ごろ、学校の東約700メートルにある米空軍横田基地で、C130輸送機からの降下訓練中、兵士のパラシュートが絡まり、切り離した。本人は予備分を使って基地内に無事に降りたという。
中2の次男が同校に通う羽村市の会社員丁野(ちょうの)賢治さん(42)は「昨日からパラシュート降下訓練をやっていた。この辺ではこういう事態は初めて。子どもたちがいてもおかしくない時間帯。危害がなくてよかった」と話した。午後7時から体育館でバスケットボールを子どもたちに教える予定だったが、中止になったという。
前日入学したばかりの女子生徒(12)は「明日から、授業中に落ちてくるかもと思うと不安です」と話す。横田基地には今月5日、輸送機オスプレイ5機が飛来。夏ごろには、沖縄県外の在日米軍基地で初めてオスプレイが配備されることになっている。
女子生徒の母(43)は「いつか落ちるかもという不安が現実のものになった。パラシュートだったからよかったけど、オスプレイから部品が落ちてきたら嫌ですね」と話した。
羽村市は基地を抱える周辺市町などと協議して、米軍側に再発防止などを要請する方針という。防衛省によると、午後6時40分ごろ、在日米軍から「ご迷惑をおかけし、申し訳ない」と謝罪があった。同省は再発防止を申し入れたという。