崩落現場では、大きな岩を砕きながらの捜索が続く=2018年4月13日午前9時1分、大分県中津市耶馬渓町、金子淳撮影
大分県中津市耶馬渓(やばけい)町で起きた土砂崩れ現場では、13日も安否不明の女性4人の捜索が続いた。隣県の消防局員らも応援に駆け付け、正午現在、消防、自衛隊、警察など500人以上の態勢で臨んでいる。
地下の岩石、著しく風化か 大分の土砂崩落、調査団見解
北九州市消防局によると、総務省消防庁からの指示で、緊急消防援助隊が編成された。福岡、熊本両市の消防局は実動部隊を、北九州、福岡両市は指揮支援隊を出している。
福岡市消防局は、崩落が起きた11日に緊急消防援助隊を派遣。13日午前の時点で30人が出動している。市外の大規模な災害や事故にも即応する目的で今月1日に発足した「機動救助隊」も現場に向かった。小型のパワーショベルを備えた重機隊は、昨年7月の九州北部豪雨でも、住宅や倉庫に入り込んで安否不明者の捜索にあたった。ただ、今回の現場では大量の土砂や岩が住宅を覆っており、思うような活動が難しいという。
緊急消防援助隊の久恒衛・福岡県隊長(46)は「現場は想像以上に急斜面。車1台ほどの岩も多く、崩落の危険もある。重機での掘り起こしはまだ時間がかかりそうだが、我々は諦めていない」。福岡市消防局の秋山勝彦・警防係長は「自治体の境界に関係なく、『九州は一つ』という思いで任務にあたりたい」と話した。
熊本市消防局は、クレーン付き工作車や重機を積んだ車両、燃料補給車など計5台、15人の隊員を派遣。熊本は2年前の熊本地震の際、他県から多くの支援を受けた。その教訓を生かし、緊急派遣要員の輪番制を強化するなどしている。担当者は「できるだけ迅速・的確な救助の手を差し伸べたい」と話している。
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大分県は13日、現場で12日に見つかった遺体が岩下愛子さん(76)と確認されたと発表した。