廿日市警察署の前には、女子高校生が殺害された事件の情報提供を呼びかけるポスターが貼られていた=13日午前、広島県廿日市市、上田幸一撮影
広島県廿日市(はつかいち)市で2004年10月、県立廿日市高校2年の北口聡美さん(当時17)が自宅で殺害された事件で、広島県警は13日、山口県宇部市の会社員、鹿嶋学容疑者(35)を殺人の疑いで逮捕し、発表した。県警は同日朝、鹿嶋容疑者に任意同行を求めていた。
捜査関係者によると、廿日市市の事件の現場に残された指紋やDNA型が、別の暴行事件で書類送検された容疑者のものと一致したという。今後、北口さんと鹿嶋容疑者との接点などについて詳しく調べる。
事件は04年10月5日午後3時ごろに発生。北口さんは、廿日市市上平良の自宅の離れ2階にある自室にいたが、母屋にいた祖母と妹が悲鳴を聞いて駆けつけると、玄関付近で倒れていた。そばには若い男が立っていたという。北口さんは刃物で首や胸などを刺されて死亡、祖母も刺され、一時重体となった。
北口さんは当日、高校の定期試験のため、普段より早い午後2時ごろ帰宅。家族に「午後4時ごろまで寝る」と言って離れの自室に上がっていた。現場に物色したような形跡は見られなかった。犯人のものとみられる指紋やDNA型を検出、スニーカーの跡が残されていたが、捜査はその後、難航していた。