3月24日、米国での銃規制を支持する集会に参加したフロリダ州の高校生エマ・ゴンザレスさん=AP
米タイム誌は19日、毎年恒例の「世界で最も影響力のある100人」を発表した。日本からは安倍晋三首相とソフトバンクグループ会長兼社長の孫正義氏を選出した。銃乱射事件で難を逃れ、銃規制を求める運動を始めた米フロリダ州の高校生5人も選ばれた。
安倍首相は、森友学園をめぐる財務省の決裁文書改ざんや加計学園をめぐる首相秘書官による「首相案件」発言問題などで国内では支持率が低下する中、2014年以来の選出となった。選評では豪州のターンブル首相が「自信に満ち、大胆な指導力で日本経済を再生させた」とコメントし、トランプ米政権の離脱後、11カ国となった環太平洋経済連携協定(TPP11)を日本主導でとりまとめたことも評価した。
アジアの指導者では安倍首相のほか、習近平(シーチンピン)・中国国家主席、文在寅(ムンジェイン)・韓国大統領、北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)・朝鮮労働党委員長が選ばれた。
また、フロリダ州の高校生5人は、女子生徒エマ・ゴンザレスさんら。事件直後から声を上げ、銃規制を求める運動を全国的に盛り上げる原動力になった。オバマ前米大統領が選評を寄せ、「高校生たちはロビイストのような多額の予算を持たないし、多くは投票権もない。だが、昔ながらの制限や時代遅れのしきたりを打ち破る若者特有の力がある」などと称賛した。(ニューヨーク=鵜飼啓)