テネシー州ナッシュビルのレストラン「ワッフルハウス」で22日、銃で撃ち抜かれた窓の近くを調べる人たち。日曜の朝、銃を持った男が発砲して数人が死亡した=AP
米南部テネシー州ナッシュビルのレストラン「ワッフルハウス」で22日未明、男が半自動ライフル「AR15」を繰り返し発砲し、少なくとも4人が死亡した。男は客にライフルを奪われると逃走した。地元警察が行方を追っている。男はコートだけをはおり、裸だったという。当局は、近くに住む29歳の男の犯行とみて捜査している。
当局によると、男は午前3時半ごろ、駐車場で2人を殺害し、店内でも発砲を続けた。男性客がすきをみてタックルし、ライフルを奪ったという。店内で撃たれた4人のうち2人が死亡、残りの2人は病院で治療を受けている。
男が残したコートには、銃弾の詰まった弾倉二つがあった。男は3週間前に勤務先の建設会社を解雇され、再就職先に16日に出社した以降は姿を見せていなかったという。
また、男は昨年7月、ホワイトハウスで立ち入り禁止区域に侵入した容疑でシークレットサービス(大統領警護隊)に逮捕されていた。当局によって男が所持するライフルなど4丁が押収されたが、家族に返却されていた。今回の犯行に使われたとみられるライフルは、その中の1丁という。
男にタックルし事件の拡大を防いだ男性客は、ジェームス・ショー・ジュニアさん(29)。警察当局や米メディアから「ヒーロー」と称賛されているが、記者会見で「我が身を守ろうとしただけです」と述べた。
米国ではフロリダ州の高校が銃撃されて生徒ら17人が犠牲になった事件など、半自動ライフルを使った乱射事件が後を絶たず、今回の会見でもナッシュビルのブライリー市長(民主党)が「戦争用の武器を街からなくそう。あまりに頻繁に繰り返されている。もう十分だ」と述べた。保守派からは「迎合することで何票得る?」などと市長への反発が起きている。(ニューヨーク=金成隆一)