「おもちゃ花火コンテスト」に参加を予定している太田煙火製造所の太田恒司社長=2018年4月18日午後6時11分、愛知県岡崎市柱町
夏の夜に、自宅の軒先などで楽しめる玩具花火の楽しさを知ってもらおうと、花火づくりが盛んな愛知県岡崎市で4月29日、「おもちゃ花火コンテスト」が開かれる。少子化などで市場規模が縮む中、おもちゃでも高い技術力や美しさがあることをアピールするのが狙いで、各メーカーの自信作を一般参加の審査員にも採点してもらう。
全国の花火メーカーや販売業者でつくる日本煙火協会が主催する。線香花火などの「手持ち」▽地面に置いて火花が噴き上がる「噴出」▽「打ち上げ」▽ロケット花火などの「その他」の計4部門に、岡崎市や福岡県などの13社が約40種類をエントリーする。
中学生以下の親子30組の一般審査員と花火の専門家4人が、披露された花火を見て採点する。コンテストの後には、一般審査員に玩具花火で遊んでもらう。
協会によると、花火の製造業者は全国に151社あり、愛知県には最多の18社ある。このうち6社は岡崎市に集まっている。
経済産業省のまとめでは、国内の玩具花火の生産額は1990年代がピーク。91年度は概算で約49億円だったが、2016年度は約9億8千万円に落ち込んでいる。協会では少子化のほか、花火を禁止する公園が増えたことや、ゲームなど娯楽の多様化などが影響しているとみている。
コンテストに参加予定の太田煙火製造所(岡崎市)も、出荷量はピークの3分の1に落ち込んだという。太田恒司社長(58)は「最近は花火で遊ぶことがあまりなく、色が変わる火花に触れようとする子もいる」と指摘する。「コンテストを通じて、火の正しい扱い方を知ってほしい」と協会はいう。
コンテストは岡崎城に近い市中心部の乙川河川敷であり、開催時間は午後5時半~午後7時半ごろ。問い合わせは実行委員の阿知波健さん(090・1825・4432)へ。(大野晴香)