前半、先制点を決めた浦和の興梠(30)は他の選手たちと肩を抱き合う=長島一浩撮影
(2日、サッカーJ1・浦和2―0川崎)
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オリベイラ監督が指揮して3戦目。浦和がようやく現体制で初勝利を挙げた。
流れを呼び込んだのは、エースのFW興梠だ。
前半15分、左から宇賀神が送ったクロスが、滑り込んだ相手に当たってコースが変わった。その球が中央で待つ興梠の元へ。浮かさぬように小さな振りで左足に当て、ゴールへ突き刺した。チームにとって、4試合ぶりのゴールだった。
浦和ペースの試合ではなかった。中盤の形を変え、後方からパスをつなぐ持ち味はそこそこ。割り切って長い球を蹴る場面も増えた。それでも、この31歳は決して勝機を見逃さない。
後半の立ち上がりの追加点はFWナバウトがオフサイドぎりぎりで抜け出したことから。興梠が一瞬止まった相手を横目に、中央を駆け上がって挙げた。そして後半25分。自陣に引いて球を受け、前方のスペースへ走るナバウトへ絶妙の浮き球パス。たまらず飛び出して反則で止めた相手GKを一発退場に追い込んだ。
オリベイラ監督とは鹿島で2007~09年にJ1で3連覇を成し遂げた。当時のチームについて、興梠は「内容が悪くても、勝ちを引き寄せる強さがあった」と話していた。
そのときを思い起こさせるような、憎らしいほどのしたたかさ。連戦途中で就任したオリベイラ監督は、「(5月下旬の)中断期間までは多くの変更はできない」と割り切っている。いまは勝ち点3が、何よりも大きい。(藤木健)