米国のトランプ大統領と中国の習近平(シーチンピン)国家主席は8日、電話で会談し、両国が激しく対立している貿易摩擦の解決に向けて引き続き努力することで一致した。
中国国営新華社通信によると、習氏は現在の米中関係について「重要な段階」にあると指摘。「両国は交流を続け、対立点を管理し、関係を前向きに発展させたい」と呼びかけた。そのうえで通商協議で「双方は適切な解決方法を探り、ウィンウィンの成果を得られる」との観測を述べた。
一方、同通信によるとトランプ氏は「中国と努力し、各領域の実務協力を強め、適切に経済貿易問題を処理したい」と述べた。
また、中国メディアによると、習氏は北朝鮮の核開発問題を巡る米朝首脳会談に向けて「双方が信頼関係を築いて一歩ずつ行動し、協議を通じてそれぞれの懸念を解決することを望む」と期待を示した。その上で、「北朝鮮の合理的な安全保障上の懸念を考慮し、問題解決のプロセスを共同で進めてほしい」と北朝鮮の立場に配慮を求めた。
今月3~4日には、ムニューシン米財務長官らが北京を訪れ、中国の劉鶴(リウホー)副首相らと貿易不均衡や知的財産の扱いなどについて協議したが、大きな対立点を残したまま、具体的な成果はなく終わっていた。劉氏は来週訪米し、引き続き通商協議を行う予定だが、「着地点」はまだ見えていない。(福田直之)