競歩の世界チーム選手権に出場した選手たち。後列左から50キロで優勝した荒井、2位の勝木、3位の丸尾。前列左が20キロで優勝した池田
競歩の世界チーム選手権(中国・太倉〈たいそう〉)でシニア男子50キロ、20キロの個人、団体ともに金メダルに輝いた日本代表が7日夜、帰国した。来年のドーハ世界選手権、2年後の東京五輪に向けて、改めて日本の選手層の厚さを示した。
シニア男子50キロでは一昨年のリオデジャネイロ五輪で銅、昨年のロンドン世界選手権で銀メダルを獲得したエース荒井広宙(ひろおき、自衛隊)が3時間44分25秒で優勝、勝木隼人(同)が2位、丸尾知司(さとし、愛知製鋼)が3位と上位を独占した。男子20キロでも池田向希(こうき、東洋大)が1時間21分13秒で優勝。山西利和(愛知製鋼)が4位、藤沢勇(ALSOK)が7位に入賞し、上位3選手で競う団体戦でも優勝した。個人、団体とも史上初の好成績だった。
50キロで優勝した荒井は「有力選手の欠場が多い中、自分が勝たないといけないレースだった。国旗掲揚が全部日の丸だったのは、壮快だった」と振り返った。20キロを制した池田は静岡・浜松日体高から東洋大へマネジャー兼務で進んだ異色の選手。「持ちタイムが遅かったのでプレッシャーなく歩けた。東洋大に入ったからには、ほかの選手に負けてはいけないと思っている」と決意を語った。
今村文男・五輪強化コーチは「50キロは最高の成績で東京五輪に向けて好材料。50キロに比べ世界と差があった20キロもようやく成果が出てきた」などと総括。一方で歩型の乱れで警告を受ける場面があり、「個人的な課題も明らかになった」とした。(堀川貴弘)