練習を公開した村田諒太(右)
ロンドン五輪金メダリストで世界ボクシング協会(WBA)ミドル級王者の村田諒太(32)=帝拳=が今秋にも予定される2度目の防衛戦に向け、本格的に始動した。「(攻撃と防御を)分けて戦えば良い勝負ができるんじゃないか」と、いずれは主要3団体のミドル級タイトルを持つゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン)との世界戦を熱望する。
20連続防衛中の王者
4月15日にミドル級での防衛を日本選手として初めて成し遂げてから、3週間あまり。試合後は1週間、休んだという。7日に東京都内で練習を公開し、ミット打ちなどで汗を流した村田は「次に向かう気持ちが強い。米国でできればアピールできる試合にしたい。ネームバリューが上がれば、よりゴロフキン戦が現実味を帯びてくる」ともくろむ。
その最強王者は、今月5日に米国であったタイトル戦で20連続防衛に成功。日本からテレビで観戦した村田は、自らの対戦が実現した場合に備えて冷静な視線で分析した。「強いなと思いました。パンチ力は衰えていない。反応はピークの時とは違うかなという感じがしている。階級で一番の選手であることは間違いない」
戦い方も頭の中に刷り込んだ。「相手がパンチを打ちに来た時、変にカウンターで合わせるのではなく、しっかり防御に回らないと。一発もらったら終わり。実績、下馬評から、勝てますなんて言ってはいけない。面白い勝負ができる意気込みはある」
難しいマッチメイク
そうはいっても、世界のあらゆる才能が集まるミドル級は人気が高く、マッチメイクは簡単ではない。9月か10月に予定される次戦に向け、村田は、ちらつく最強王者への思いもコントロールしないといけない。「この前の(4月の)防衛戦にしても、その先を意識してのプランがある。その意識は消えない。その気持ちを消しながらになる」。そして、明確に言い切った。「一つだけ言えるのは、次の試合で負けたらゴロフキン戦はあり得ない。一番大事なのは次の試合。次の試合をまず、勝ちたい」(笠井正基)