マスク、トイレットペーパー、人工呼吸器に続き、今度は自転車が欧米の人々と企業の追い求める中国製品になった。中国新聞網が伝えた。
海外メディアの報道と越境ECがまとめたデータによると、米国の自転車店は供給が需要に追いつかず、低価格帯の自転車は争奪戦が起き、品切れになった。中国産自転車は欧州市場でも争奪戦が起きている。メイド・イン・チャイナの自転車がこれほど人気なのはなぜか。
海外で自転車ニーズが爆発的増加
欧米で徐々に経済活動が再開されるのにともない、人混みを避けて移動できる自転車のニーズが増加している。
調査会社NPDグループのデータでは、今年3月には、米国のスタンダードタイプ大人用自転車(業界ではシティサイクルと呼ぶ)の販売量が121%増を達成し、電動アシスト自転車も85%増加、通勤・トレーニング用自転車は66%増加、子ども用自転車は59%増加した。
欧州でも自転車が売れに売れている。イタリアは自転車を購入した人に価格の60%の補助金を支給すると決定し、上限を500ユーロ(1ユーロは約121.9円)とした。フランスでは企業オーナーが政府からの支援を受け、自転車通勤する社員に1人あたり400ユーロの通勤補助を出している。英国政府もこのほど20億ポンド(1ポンドは約136.3円)を投入して自転車用道路と歩行用道路を拡張し、大都市の公共交通システムの渋滞を緩和しようとした。
こうしたことを背景に、中国産自転車の輸出量が爆発的に増加した。
阿里巴巴(アリババ)傘下の越境ECプラットフォームの速売通(アリエクスプレス)のデータでは、前年同期に比べ、今年5月のスペイン市場での自転車売上高は22倍以上増加し、イタリアと英国でも4倍前後増加した。電動スクーターの売上高も大幅に増加し、イタリアでは9倍近く、英国では約8倍、フランスでは約3.8倍増加し、元々市場規模の大きかったスペインでも約2.8倍増加した。
速売通をみてわかるのは、スペインで販売される中国産自転車はほぼ完売状態で、在庫も53台しかなく、価格は7600.89ドル(1ドルは約107.0円)から1万4113.21ドルまでとさまざまで、日本円にすると最低でも約81万4千円することだ。
注文が急増して、中国自転車市場には新たなプレイヤーが大勢参入した。
企業情報プラットフォーム・天眼査のデータでは、中国には現在、事業内容に「自転車」を含み、経営状態が「正常な経営」、「経営を維持」などの企業が51万社以上ある。地域分布をみると、広東省、江蘇省、浙江省、山東省、福建省が中国で自転車関連企業が最も集中する地域だ。
工商登記に基づくと、2020年1-5月には、中国で自転車関連企業が新たに5万社以上誕生し、設立数は前年同期比41.08%増加した。3月には設立数が135.36%増加し、中国今年の自転車関連企業の増加幅が最も大きな月になった。4月には関連企業の設立数が新たに1万5千社に達して、今年の設立数が最も多い月になった。(編集KS)
「人民網日本語版」2020年6月11日