宮内庁は9日、天皇、皇后両陛下が6月9~11日に福島県を訪れると発表した。毎年恒例の地方訪問「三大行幸啓」のひとつ、全国植樹祭に出席するほか、東日本大震災からの復興状況を視察する。天皇陛下は来年4月末に退位を控え、福島、宮城、岩手の被災3県の被災地への訪問は在位中最後になる見通し。
宮内庁によると、9日はいわき市の復興公営住宅団地で浪江町や双葉町などから避難している被災者らと懇談する。夜には同市にある宿泊先でフラガールらの踊りを観賞する。
10日は、全国植樹祭の会場となる南相馬市に向かう途中、高速道路上で福島第一原発まで約6キロの地点を通過する。関係者によれば天候次第では車内から原発周辺の様子を見る可能性があるという。11日には、多くの犠牲者が出た相馬市の原釜地区を7年ぶりに訪れ、慰霊碑に花を供える。
両陛下は震災の発生直後から被災地を気にかけ、震災後、福島、宮城、岩手の3県を10回以上訪問してきた。福島県への訪問は震災後6回目となる。(緒方雄大、島康彦)