ネットコンビニの注文画面。最寄りの店舗の品ぞろえがそのまま反映される(セブン―イレブン・ジャパン提供)
セブン―イレブン・ジャパンは10日、北海道で実証実験中の「ネットコンビニ」を来年度内に全国展開すると発表した。スーパーがネットスーパーを手がけているほか、ネット通販最大手のアマゾンが生鮮品に参入し、業態を超えた競争が激化している。セブンは2万店を超す店舗網を生かし、ネットと実店舗を融合させて攻勢をかける。
スマートフォンで届け先や店舗を選択し、店で扱う弁当や総菜など約2800商品の中から注文できる。24時間注文可能で、配達時間は午前11時~午後8時。最短2時間で届く。注文は税込み1千円以上とし、3千円以上の購入で216円の配達料は無料とする。
物流大手セイノーホールディングスが設立したセブン専用の配送会社「GENie(ジーニー)」が宅配を担う。
昨年10月から実証実験をしている札幌・小樽地区の25店舗では、注文が一日平均3件で、単価は約2千円だった。実証実験では30~40代の女性の利用が目立ち、重みのある飲料水やかさばるトイレットペーパー、冷凍食品などの注文が多かったという。
まずは来年8月までに、対象店舗を北海道内の全1千店に拡大し、2019年度内に順次、全国の2万店超に広げたいという。
狙ったのは、ネットと実店舗の融合。全国の店舗にある商品の在庫は1500億円分になるといい、担当者は「1500億円の在庫拠点がお客様の近くにある。早く、効率的に届けるビジネスができるのでは、と考えた」と説明する。セブンの古屋一樹社長は「最短2時間は、2万店という全国を網羅した店舗網があっての強みだ」と話した。
セブンは00年から、店頭にはない弁当や料理キットを宅配するサービス「セブンミール」を導入しているが、利用者は65歳以上が中心だといい、当面は二つのサービスを並行して実施していくという。(牛尾梓)