殺害が確認されたエクアドル紙「コメルシオ」の記者ら。(左から)記者のハビエル・オルテガさん、カメラマンのパウル・リバスさん、運転手エフライン・セガーラさん=AFP時事
南米エクアドルのモレノ大統領は13日、同国の新聞記者ら3人が隣国コロンビアの旧左翼ゲリラ組織・コロンビア革命軍(FARC)から分派した組織に殺害されたと発表した。両国は、組織のリーダー拘束のため、部隊を派遣した。
殺害されたのは、エクアドルの新聞「コメルシオ」の記者ハビエル・オルテガさん(32)、カメラマンのパウル・リバスさん(45)、運転手エフライン・セガーラさん(60)。コロンビアとの国境地帯で活動する分派組織の取材のために現地に入った。3月26日に目撃されたのを最後に消息が途絶えていた。
分派組織は麻薬取引に深く関わり、コロンビア政府との和平に反対していた。リーダーは「グアチョ」の通称で知られるという。エクアドルとコロンビア両政府は、軍と警察の部隊を派遣した。またリーダーの所在に関する有力情報に10万ドル(約1千万円)を支払うと発表した。
モレノ大統領はリマで開かれている米州サミットに出席する予定だったが、事件を受け、急きょ帰国した。サミット会場では、エクアドルの記者が呼びかけ、事件に抗議。各国の記者が集まり、1分間黙禱(もくとう)した。
FARCをめぐっては、コロンビア政府が2016年に和平合意を結び、合法政党に移行。52年間にわたる内戦を終結させたとしてコロンビアのサントス大統領がこの年のノーベル平和賞を受賞した。(リマ=岡田玄)