皐月賞でゴールに向かうエポカドーロ(左)(JRA提供)
2015年に国内で生まれたサラブレッドは6847頭。同じ年に生まれ、輸入された外国産馬は108頭。出走資格がある計6955頭のナンバーワンを決める第85回日本ダービーのスターティングゲートが、27日午後3時40分に開く。平成最後のダービーには、小さな牧場の夢を乗せた馬も走る。
牡馬(ぼば、オス馬)の3冠レースの第一弾、4月15日の皐月(さつき)賞の直前、エポカドーロがパドックに姿を現した時、田上(たがみ)徹さん(35)は「体調が良さそうだ」と感じた。
田上さんは北海道新ひだか町でサラブレッドの生産を行う3代目の牧場主だ。エポカドーロは3年前の2月15日、田上さんの牧場で生まれた。
皐月賞の日、田上さんは朝まで牧場の仕事に追われ、当日移動で千葉・中山競馬場に駆けつけた。体調は良く見えたが「あまり期待しないようにしよう」とレースを見守った。エポガドーロは単勝で7番人気だった。
しかしエポカドーロはいい意味で期待を裏切った。残り100メートル付近で先頭に立つと、そのまま独走でゴールに飛び込んだ。田上一家が3代目でつかんだ初めての3冠レースのタイトルだった。
「田上牧場」は繁殖牝馬(ひんば)(母馬)7頭が暮らす小さな牧場だ。面積は10ヘクタールほどだという。
一方、過去3年連続でダービー…