２０１５年に国内で生まれたサラブレッドの頂点を決める第８５回日本ダービー。見どころのひとつに種牡馬（しゅぼば）の争いがある。サンデーサイレンス（ＳＳ）系か、キングカメハメハ（ＫＫ）系か。過去４年のダービーはサンデーサイレンス系とキングカメハメハ系が交互に優勝している。競馬界をリードする二つの系統が今年もぶつかり合う。

小さな牧場からダービー馬へ ２冠目指すエポカドーロ

サンデーサイレンスは日本の血統地図を塗り替えた歴史的な名種牡馬だ。米国で生まれ、現役引退後に日本に輸入され、１９９１年から２００２年まで種付けを行った。子どもたちはダービー馬６頭を含む４２頭がＧⅠレースで計７１勝を挙げた。

ディープインパクトはサンデーサイレンスが生んだ最高傑作だ。史上６頭目の３冠馬となると種牡馬になってからも輝き、中央競馬の平地レースで３０頭のＧⅠ優勝馬を生み出した。

今年のダービーにもダノンプレミアムなど３頭の有力候補を送り込む。

そんなサンデーサイレンス系で、今年の３歳がデビューとなったのが史上７頭目の３冠馬となったオルフェーヴル。初年度産駒（さんく）から、皐月賞馬エポカドーロを送り出した。

サンデーサイレンス系全盛の構図に対抗しているのがキングカメハメハ系だ。キングカメハメハは０４年にレース新記録でダービーを制した名馬だ。

１０、１１年には２年連続で種牡馬ランキングの首位に立つなどダービー馬らしい実績を残した。１５年にドゥラメンテ、１７年にレイデオロが父に続くダービー制覇を果たした。

キングカメハメハの息子ロードカナロアは短距離の名馬だった。１４年に種付けを開始。初年度となる今年の３歳馬から桜花賞とオークスを制した娘アーモンドアイが生まれた。距離の不安を吹き飛ばし、ダービーと同じ２４００メートルのオークスを制した。

そんなロードカナロアは、ダービーに有力候補ステルヴィオを送り出す。