金融庁が2018年3月期決算で7年ぶりに赤字に転落した福島銀行(福島市)に対し、業務改善命令を出していたことが2日、明らかになった。経営の刷新を決めた同行に収益力の改善を求め、今後も経営の監視を続ける考えだ。
福島銀への改善命令は、法令違反を受けた処分ではなく、経営の立て直しを求める狙い。長引く低金利や人口減で地方銀行の経営環境は厳しさを増すなか、金融庁は経営の悪化が目立つ地銀への予防的な検査に着手している。福島銀もその中に含まれていた。
福島銀は米金利上昇の影響で保有する投資信託に含み損を抱え、不良債権の処理費用を積み増したことも重なり、18年3月期の純損益は32億円の赤字に転じた。森川英治社長が引責辞任し、ライバル銀行の東邦銀行から元専務の加藤容啓氏を今月21日付で社長に招く人事も決めている。(山口博敬)