練習で守備をする長谷部(右から2人目)と吉田(左から2人目)=2018年6月3日午後、オーストリア・ゼーフェルト、内田光撮影
サッカーのワールドカップ(W杯)ロシア大会に臨む日本代表は、オーストリア・ゼーフェルトの事前合宿で3日から本格的に練習を始めた。到着から一夜明けたこの日午前には、先月30日のガーナ戦を振り返るミーティング。新たに導入した3―6―1の布陣を使いこなすため、活発な意見交換が起きたという。
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「建設的で、選手からも意見が出てきた」と、西野監督は手応えを口にした。約1時間、試合の映像を見ながら改善点を議論した。監督が「この場面はどう思うか」と問いかけることもあれば、選手が映像を止めるように求め、発言する一幕もあったという。
主な課題に挙がったのが前方からの守備だ。新布陣の狙いの一つは、中盤から前に人数が増える分、相手ゴールにより近い位置で球を奪うこと。だがガーナ戦は複数の選手で連動した守りができなかった。結果、逆に球を奪いきれないために自陣に引いて守る時間が長くなってしまった。
DF長友(ガラタサライ)は、「前の選手はプレスに行っていいか迷う。後ろの選手は、行ってほしいけど声が届かなかった。特にそこを、どうするか確認しあった」と明かす。
3日の練習でも、ゲーム形式は新布陣の並びで行った。W杯初戦までは約2週間と時間には限りがある。MF原口(デュッセルドルフ)は「時間はあった方がいい。でも総力戦で、知恵を絞り合って、意見をぶつけあって、いいものを作りたい」。ピッチの内外で、意思疎通を密にする試みが続いている。(藤木健)