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勤務間の休息確保へ 「過労死防止大綱」厚労省が最終案

厚生労働省は31日、新たな「過労死防止大綱」の最終案を公表した。「勤務間インターバル制度」の導入企業の割合を2020年までに10%以上とする数値目標の新設が柱だ。働き手の労働実態を特別に調査する業種には、報道機関や広告会社などのメディアと建設業を追加した。7月にも閣議決定される。


過労死防止大綱は過労死をなくすための対策をまとめたもので、厚労省の施策の土台となる。15年に初めて策定され、3年後をめどに見直すことになっている。最終案はこの日、過労死遺族や労使の代表者、学識者らでつくる協議会に示された。


勤務間インターバル制度は、仕事を終えてから次に働き始めるまでに一定の休息時間を確保する制度だ。政府がこの制度の数値目標を掲げるのは初めて。人手の少ない中小企業に配慮し、労働者数30人未満の企業は対象外にする。厚労省の17年の調査では導入企業は1・4%で、達成に向けて実効性の高い施策を打ち出せるかが今後の焦点となる。


大綱では過労死が多い一部の業種について、働き手の労働実態を特別に調査すると定めている。今は自動車運転業務、外食産業、教職員、IT産業、医療の5業種が明記されているが、これにメディアと建設業が加わる。


メディアでは、広告大手・電通の新入社員の過労自殺やNHK記者の過労死、建設業では新国立競技場の現場監督の過労自殺が大きな問題となった。こうしたことから詳しい調査が必要だと判断した。


対象業種の労働者に数年おきにアンケートを行い、長時間労働がなくならない理由や、労働者のストレスや悩みの内容を分析する。結果は厚労省が毎年まとめる「過労死等防止対策白書」に合わせて公表し、今後の施策に生かす。(村上晃一)


新「過労死防止大綱」最終案の主な数値目標


【新設】


・勤務間インターバル制度を導入した企業の割合 2017年1.4%→20年までに10%以上


・仕事の悩みの相談先がある労働者の割合 16年71.2%→22年までに90%以上


・働き手のストレス状態を調べる「ストレスチェック」の結果を職場環境の改善に活用した事業所の割合 16年37.1%→22年までに60%以上


【据え置き】


・週の労働時間が60時間以上の人の割合 17年7.7%→20年までに5%以下


・年次有給休暇の取得率 16年49.4%→20年までに70%以上


【期限の延長】


・メンタルヘルス対策に取り組む事業所の割合を17年までに80%以上 16年56.6%→22年までに達成


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