結婚25年を前に、愛犬の「由莉(ゆり)」を連れて東宮御所の庭で談笑する皇太子ご夫妻(2018年6月5日、宮内庁提供)
9日で結婚25年となる皇太子ご夫妻が、お気持ちを文書でつづった。来年5月に新天皇となる皇太子さまは「気持ちを新たに、互いに協力しながら一つ一つの公務に取り組んでまいりたい」と表明。療養中の雅子さまは「たくさんの喜びも悲しみもありました」と25年の歩みを振り返りつつ、「広く人々の幸せを祈っていきたい」と新皇后への覚悟ものぞかせた。
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皇太子さまは58歳、雅子さまは54歳。報道向けに寄せた文書で、お二人は互いへの思いを記した。皇太子さまは結婚10年の時、雅子さまに「『努力賞』と『感謝賞』のダブル受賞」との賛辞を送ったが、今回は「加えて、銀婚式に因(ちな)んで銀メダルも贈りたい」と。雅子さまは皇太子さまに「感謝状を」と応じ、金婚式で金メダルとなるか心もとないが、温かい家庭を築くよう努力していくと述べた。
皇太子さまは、大変な時にも「笑い」を生活の中で忘れないように心掛けてきたという。2003年12月から適応障害の療養が続く雅子さまについて「一生懸命に快復への努力を重ねています」といたわると、雅子さまは「いつも傍らで私を支えて下さいました」と謝意を返した。
皇太子さまは新天皇として、「憲法で規定された『象徴』としての天皇の役割をしっかりと果たしていくことが大切」としつつ、社会の変化に対応した務めを考え、行動していくことが重要との考えを示した。
雅子さまは、被災地訪問などで国民と苦楽をともにしてきた天皇、皇后両陛下の姿を「常に心に留める」という。日本や世界の人々にとって何が大切になるかを考え、「世の中のことに関わっていくことができれば」とも述べた。