米朝首脳会談開催を祝う特別カクテル「ブロマンス」=2018年6月8日午後7時14分、シンガポール、野上英文撮影
史上初の米朝首脳会談の舞台となるシンガポールで、便乗の記念メニューが続々と生まれている。
12日の会談に向けて、バー「ホップヘッズ」では、男同士の絆を意味する「ブロマンス」と名付けられた特別カクテルが登場した。トランプ米大統領が愛飲するダイエットコーラや韓国焼酎を混ぜ合わせたものだ。店員は両首脳が口づけを交わそうとするデザインの記念Tシャツを着用。購入したTシャツをさっそく着てカクテルを頼んだ会社員のミン・ウィン・ションさん(36)は「多くの人が首脳会談の開催にわくわくしている。記念メニューがある店の情報はSNSでシェアされていて、一軒ずつ訪ねている」と話した。
ビジネス街のレストラン「OSG」の新メニューは米国産牛肉とキムチなどを盛り合わせたマレーシア風どんぶり「トランプ―キム・チ・ナシレマ」だ。ハーモニーを演出したという。「(刺したり切ったりする)ナイフやフォークで傷つけ合わないように、お箸とスプーンで食べてね」と共同創業者のザチ・ウェンさん(34)。店の外には、トランプ氏と金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長の顔出しパネルも置かれ、にぎわう。
ロイヤルプラザホテルでは、両国旗をあしらったキムチ味の「トランプ―キム・バーガー」が8日夜の販売開始から2時間で100個近くの注文を受けるほどの人気だ。飲食マネジャーのアブラハム・タンさん(51)は「小さい国なのにセキュリティーの高さから会談場所に選ばれた。歴史的イベントをもてなせるのは誇り」と語った。
このほか、特別バーガーを作って両首脳に招待状を送ったとして、「食べに来られなければ配達します」と呼びかける地元チェーン店や、「ロケットマン・タコス」を出すメキシコ料理屋、会談日にちなんで12・6シンガポールドルでお酒を出す店などが次々に現れている。(シンガポール=野上英文)