当選を決め、支援者と喜ぶ花角英世氏(中央)=2018年6月10日午後10時41分、新潟市中央区、角野貴之撮影
新潟県知事選は10日、投開票され、無所属新顔の前海上保安庁次長、花角英世氏(60)=自民、公明支持=が、前県議の池田千賀子氏(57)=立憲、国民、共産、自由、社民推薦=ら無所属新顔2氏を破り、初当選を決めた。投票率は58・25%で、前回の53・05%を5・20ポイント上回った。
特集:新潟県知事選
東京電力柏崎刈羽原発(同県柏崎市、刈羽村)の再稼働に慎重姿勢だった米山隆一前知事(50)が女性問題で4月に辞職したことを受けた選挙。柏崎刈羽原発6、7号機は昨年12月、原子力規制委員会の主要審査を終え、焦点は地元同意に移っている。
2015年まで県副知事を務めた花角氏は、国土交通省などでの行政経験をアピール。観光振興や交通網の充実を公約の重点に置いた。原発については慎重姿勢を示してきた。再稼働を判断する際には「改めて信を問う」とし、辞職して出直し知事選で民意を問う可能性にも言及した。
森友学園や加計学園の問題などで安倍政権への批判が厳しさを増すなかで行われた選挙。自民、公明両党からの支援は「推薦」よりも弱い「支持」にとどめ、政権や与党とはやや距離をとった。
池田氏は、16年に野党統一候補として初当選した米山前知事の政策を受け継ぐと強調した。「原発ゼロの新潟県」を掲げて米山前知事が進めてきた福島第一原発事故の検証を続けるとし、再稼働に積極姿勢の安倍政権を批判した。選挙戦では、野党の党首級が続々と来県し、支援も呼びかけた。だが、原発に慎重な主張を続けた花角氏との違いを明確に打ち出せず、及ばなかった。
元同県五泉市議の安中聡氏(40)は、利権構造からの脱却や即時廃炉などを訴えていた。
確定得票は、花角氏が54万6670票、池田氏が50万9568票、安中氏が4万5628票だった。